心理学・NLP

マッチョ状態

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      前回の「知識と引き換えに一番大切なものが見えなくなる」今回はその続きです。




      多くの方が、その程度の差はあれど、仕事を行っていく上で必要な知識や技術の学びを行っているかと思います。

      そして、昨年よりも今年、先月よりも今月、昨日よりも今日という感じでレベルアップしていく。
      そのこと自体は素晴らしいことですし、プロとして当然とも言えます。




      ただし、同時に気を付けなければならないこと、

      それが「マッチョ状態」です。



      マッチョ状態とは、知識や技術のレベルアップやキャリアや年齢を重ねる内に無意識に、

      「自分は問題ない」

      「自分はレベルが高い」

      「自分は凄い」

      という自意識となってしまう状態のことです。



      特に専門家や努力している人が陥りやすい状態であり、マッチョ状態となると、
      相手のことを無意識に見下した態度を取るようになっていきます。




      「この患者は知らない」

      「この患者に私はやるべきことを教えてやっている」

      「患者の問題を私は解決できる」

      といったように、常に上から目線で接していくようになっていきます。



      これは患者さんに対してだけではなく、院内スタッフ同士でもよく起こります。

      ベテランスタッフが新人スタッフに、ドクターが歯科衛生士や助手に、院長やチーフが部下に対して、


      「この人はレベルが低い」

      「この人より私の考えが絶対に正しい」

      「私が教えてあげなければこの人は間違いを犯す」

      という状態ですね。



      こうなると、患者さんであれスタッフであれ

      自分よりも下である。

      という前提でやり取りが行われていきますので、

      「知らないと思いますが」

      「どうすればいいか教えてあげましょう」

      「私がそうだと言うのだからそうなのだ」

      という常に“私が正しい”となり、そこに信頼関係は生まれにくくなります。



      もちろん、実際に“私が正しい”場合も多々ありますが、そこが感情を持った人間の難しいところで、
      上から目線の人には、例えそれが正しいことでも抵抗感を持ってしまうものです。




      そんなマッチョ状態。どのように気をつけていけばよいのでしょうか?



      まず1つ目は“自分がマッチョ状態になっていないか?”を意識することです。

      自分がレベルアップすればするほどマッチョ状態はセットでやってきます。

      時に「今の自分はマッチョじゃないか?」と自問することが大切です。



      2つ目は、相手に投げかける言葉に意識を向けることです。



      「知らないと思いますが」→「既にご存知かもしれませんが」

      「どうすればいいか教えてあげましょう」→「ご提案させて頂いてもよろしいですか?」



      というように、投げかける言葉を少し工夫するだけでも、相手に与える印象は随分と変わっていきます。



      さて、ここまでお読みいただいた上で「私はマッチョ状態ではない」「ああ、あいつはマッチョ状態だな」と感じた方。
      その状態こそ
      マッチョ状態です。


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