私は以前、生命保険の営業の仕事をしていました。日本人の保険への加入率は90%を超えており、成人のほとんどが何らかの保険に加入しています。
そんな身近なものであるはずなのに、死亡や入院といった状況が発生した際にどのような保障が必要になるか?を正確に把握している人やそれについて真剣に考える人は少ないのが実情です。なぜでしょうか?
多くの人は「自分が死ぬことはないし、入院することはない」と思い込んでいます。より正確には「死や病気について考えたくない」という心理がその背景にはあります。
生命保険についての話をする際、私はまず「それが明日かもしれないし、30年後かもしれない。しかし間違いなくその時は来る」という現実を受け入れていただくことから始めるようにしていました。
このたび、長年のクライアントである、ひまわり歯科の岡本佳明院長が、初の著書を出版されました。
タイトルは「超高齢社会の日本を支える 地域支援型多機能歯科診療所」です。
この書籍には、歯科業界の視点から私たちが直面する未来について詳述されています。
生命保険との大きな違いは、「それがいつ起こるか」という具体的な時期までデータに基づいて明らかにしている点です。
超高齢社会や少子化が進んでいる現状は多くの人が認識していますが、知っていても見て見ぬふりをして、日々変わらない行動を取る。私を含め多くの人の実際がそこにあります。この状況に対して、未来を担う子どもたちのためにも、真剣に考え、行動を起こすべきではないでしょうか?という提案であり、考えるきっかけとなる書籍です。
書籍には以下のような「現実」が記されています。
・2040年、多くの町から歯医者が消える。
・平均寿命が伸びると実際に何が起こるのか。
・本格的に始まる医科歯科連携の姿とは。
・患者の「食べたい」をどう支えるのか。
・管理栄養士が担う重要な役割とは。
・歯科衛生士がメタボリックドミノを止める。
・女性スタッフが働き続けられる環境とは。
などなど、中には受け止めることがしんどい現実もありますが、決して暗い未来だけを示している訳ではありません。
私たちは何をすべきなのか?という具体的な示唆も豊富に盛り込まれています。
不都合な未来をいかに好転させていくか?ここに向き合う人と、避け続けていく人とで大きな差が生まれることは間違いなさそうです。
自院のことにとどまらず、業界と日本全体をどうしていくべきか?という視点を持った岡本院長、そして、その理念の実現を叶えるために日々邁進されているひまわり歯科スタッフの存在は業界の希望であり誇りです。