プロフェッショナルケア。
私も一人の患者として数ヶ月に一度、受けるようにしています(油断すると半年経っていることもありますが・・・)。
プロフェッショナルケアの目的や手順は一般の方よりも理解していると思っていますが、そんな私でもケアを受けている時に「ん?」と感じてしまうことがあります。
●超音波スケーラーの強さ
意外に(?)歯科衛生士さんによって超音波スケーラーの強弱や当て方には結構な違いがあります。
「歯石取れてます?」と思うほど超ソフトタッチな方もいれば、「パワー強」で何の躊躇もなくガンガン当ててこられる方もいらっしゃいます。
●うがいの回数
これも歯科医師、歯科衛生士によって違いがあります。
頻繁にうがいを促す方もいれば、最初と最後の2回だけという方もいらっしゃいます。
私はうがいは面倒くさいと感じる方ですので出来るだけ少ない方がありがたいです。
もちろん患者さんによっては細かなうがいを望まれる方もいらっしゃるでしょう。
●スタッフ同士の会話
処置を受けている最中はまさにまな板の上の鯉状態で、全てを術者に委ねるしかありませんが、同時に音に敏感になります。
器具が触れ合う金属音やバタバタとした足音が気になることもありますが、一番気になる音はスタッフ同士の「会話」です。
診療とは関係ない会話も気になりますが、内容が分からないヒソヒソとした会話はもっと気になるものです。
さて、ここでは3つの例を挙げましたが、ここでお伝えしたいことは“何が正しいか?”よりも、患者さんは自分の解釈したいように解釈しているという事です。
超音波スケーラーが“強いな”と感じれば「今日は機嫌が悪い?」「何か怒らせるようなことしたかな」と感じたり、うがいが少なければ「ああ、急いでるんだなぁ」と感じる。
スタッフ同士でヒソヒソと話していれば「自分のことを言われているのではないか」と感じる人もいるかもしれません。
患者さんは、皆さんの何気ない行動や言葉の一つ一つに“勝手な思い込み”をしていることを知っておく必要があります。
そして多くの場合、その思い込みは自然に解消されることがありません。
「私、何か怒らせるようなことしました?」
「今日はうがいが少なかったですが急いでました?」
「さっき、あそこで院長と話してましたけど私のことです?」
と感じたことを直接皆さんに確認される人はほとんどいないからです。
では医院として出来ることは何でしょうか。
まずはシンプルに“言葉”にすることです。
「今日は頑固な歯石がついていますので少し強めに当てますね」
「汚れていませんのでうがいせずにこのまま続けても良いですか?」
と行うことの意味を言葉にしていきます。
スタッフ同士の会話については、聞こえないから思い込みを生む訳ですから、敢えて聞こえるように話すのも方法の一つです。
これらを日常的に行えることもプロに必要なコミュニケーションスキルです。