コミュニケーション

「言う」「言わない」の基準

Indexインデックス

    Indexインデックス

      「それって間違っていない?」「このやり方がいいのでは?」など、仕事の場面でそんなことを思っていても、スタッフや院長に対して、実際に口に出せるかどうかは別問題。
      自分が正しいかどうかに自信が持てないし相手を怒らせたくもない、でも我慢したらしたで納得できないしモヤモヤもする。言うべきか言わないべきか・・・ほんとデリケートな問題です。

      私がよく使う基準の一つは、その指摘や提案が「医院のため」なのか「個人(自分を含む)のため」なのかを考えることです。

      まず「医院のため」になる指摘・提案についてです。例えば新しい機器が導入される際、そのメリット、デメリットについて医院全体の理解が足りないと感じたら、その指摘は医院全体の質を高めることにつながり「医院のため」と言えます。また、予約の入れ方や人員配置を変えることで、より働きやすくなるといいった提案も「医院のため」になりますね。チームワークを向上させるアイデアや、新人さんに早く馴染んでもらうための場作りといった提案も医院にとってはプラスです。
      このように「医院のため」となる指摘や提案であれば、言葉にした方が良さそうである事がわかります。

      次に「個人のため」の指摘・提案とはどのようなものかを考えてみます。まずその内容が「自分が楽になること」で他のスタッフに負担をかける場合や医院全体の効率を損なう場合は注意が必要です。また、特定の人との人間関係に起因するような指摘も「個人のため」の要素が強いです。この場合、指摘の内容よりも感情に意識がいってしまうことが多く影響を与えている可能性が高いため注意が必要です。

      「個人のため」の指摘や提案が必ずしも悪いわけではありませんが、自分の言葉がどの程度の影響をもたらすかを考える必要はありそうです。

      「医院のため」であればタイミングはそこまで神経質にならなくても良いかもしれませんが、「個人のため」の場合は、相手の気持ちや状況に応じて適切なタイミングを選ぶことが大切です。
      そして、何を言うかだけでなく「どのように言うか」も重要です。相手の心が防御の姿勢にならないように、言い方や表現に工夫が必要です。時に指摘や提案が最初は摩擦を生むかもしれませんが、その後の丁寧なフォローによって、全体としてプラスに変わる場合があります。「言わなければよかった」とその瞬間は後悔したとしても、後からしっかりと説明を加える、相手の反応を見て柔軟に対応するなどの行動を取ることで「言ってよかった」となることも少なくありません。

      これらの基準を知っておくことで、言葉にすべきかどうかの判断が少しは楽になるかもしれません。医院にとってプラスになる提案や指摘が躊躇なく表現できる風土が育まれると、結果、個人のためにもなると思うのです。


      この記事を読んだ人は
      こんな記事も見ています

      タグ