起業以来、各医院のサポート内容は違っても、ずっと続けていることがあります。
スタッフの皆さんとの「個別面談」です。
面談という言葉がなんとなく堅苦しいので、ほんとは違う表現をしたいのですが、"今の医院のリアルを知る” という意味でとても貴重な時間になっています。
何を取り組むにもスタッフの皆さんの理解と協力がなければ成り立ちません。
理解と協力を得る前に、スタッフの皆さんが現場の中で、何を見て、何を感じているのかを知ることは、患者さんの診療にあたっての希望や心配事を把握するのと同じくらい大切なことです。
ただ、これを15年も続けていると、私とスタッフの皆さんとの年齢差は開くばかりで、先日面談を行ったスタッフさんは娘と同い年でした・・・。個別面談というよりも親子面談です。
そんな面談の中で、割とよく出てくる相談に、
「仕事量」
に関するものがあります。
「◯◯さんより、私の方が仕事が多い」
「いつも△△さんのフォローばかりしている」
「誰もやらないから結局わたしがやっている」
「院長はいつも私にばかり仕事を頼んでくる」
などです。
確かに自分ばかりが忙しくしていて、すぐそばでぼ〜っとしている人がいたり、仕事を覚える努力が足りない人のフォローをするのは納得いかないですよね。その気持ちには共感します。
ただ、そんな時、私がかける言葉は、
「それでいい」
です。
決して、「それは納得いかないね。◯◯さんに仕事を振って、バランスを取ろう」や「院長に仕事を頼むのを偏らないように言っておく」とは言いません。
全ての人がそうとは言いませんが、私の経験上、上記のような相談をしてこられるスタッフさんは、基本
"仕事ができる人”
であることが多いです。
仕事ができるから人より仕事が多いのです。
仕事ができるから出来ない人のサポートができるのです。
誰も気づかないことに気づく能力があるのです。
あなたに頼むと安心だから院長は仕事を頼むのです。
つまり、優秀なんですね。
そんな優秀な人が、そうでない人と自分を比べても意味がありません。
まずは自分が仕事ができる人なんだということを、ちゃんと自覚することです。
そしてもう1つ。
冒頭の私とスタッフさんの年齢が離れてきていると同様に、院長とスタッフさんとの年齢も離れていっています。
そこを前提に考えたとき、きっと多くのスタッフさんは、その医院で定年を迎える訳ではなく、他院だったり、違う職種の仕事に就くときがやってきます。
同じ業界であったとしても異業種だとしても、基本、仕事の構造は同じです。
仕事ができる人はどんな仕事に就いてもできる人です。
今、誰よりも仕事経験を積んでいる状態は、できるあなたを更にできる人にしていく。
この医院の中だけの限られた世界で、仕事が多い少ない、あの人に比べて損だ、という視点ではなく、次の仕事への架け橋であると捉えると見える景色が変わってきます。未来の自分に必ずギフトになって返ってくるはずです。
仕事量が多く、それは損だと思っている皆さん。
目の前の小さな損得で自分の能力まで小さくしないようにしてくださいね。