以前、とあるセミナーで一緒になった、建設会社社長との話です。
その社長は、従業員の「夢」を聞くことを習慣にしているそうですが、「最近は夢を叶えたいと本気で思っている人が少ない」とのこと。
ある日、社長は若手女性社員のAさんにこう尋ねました。
「きみの夢はなに?」
「え~、夢ですか?うーん・・・」
「別に仕事じゃなくてもいいんだよ」
「あ、だったら一つあります。嵐に会うことです!」
「ジャニーズの嵐だよね。嵐の誰に会いたいの?」
「相葉くんです♪」
「そっか、相葉くんに会うのが夢なんだね。では会うためにどんな努力をしているの?」
「社長・・・何言ってるんですか、努力もなにも、相葉くんに会える訳ないじゃないですか・・・」
「え?そうなの?そんなのやってみなきゃ分からないだろう。」
(どこかに電話をかけ始める社長)
「もしもし、ジャニーズ事務所さんですか?あの、嵐の相葉くんに会うにはどうしたらいいですかね? はい、うんうん、ファンクラブに入って、はいはい・・・う~ん、もっと早く会える方法はありませんかね? うちの大切な社員の夢なんですよ。」
こんなやり取りが少し続き、結果的には相葉くんとの対面は叶いませんでした。しかし、このエピソードには人生を豊かにするとっても大きな学びがあります。
世界一周旅行をしたい、自分の会社を作りたい、最高のパートナーを見つけて幸せな家庭を築きたい、医療事務の資格を取得したい、ダイエットに成功したい、などなど、その中身こそ違ったとしても、誰しも夢や目標を持っていると思います。
一見、ジャニーズ事務所に電話をするなんて、無謀だと思われるかもしれませんが、電話をしないよりもした方が、夢が叶う確率は上がることは確かです。
このAさんのように、多くの人は夢や目標を描くと同時に、心のどこかで“出来ない、叶うわけない”とも感じているものです。
社員のAさんは、電話をした社長の行動を見て、「何もしていない自分に気付いた」と言ったそうです。
社長がAさんに伝えたかったこと、それは“夢を叶えるための行動をしているか?”ということであり“あなたが夢を叶えるために俺はいつでも行動するよ”というメッセージだったのです。
歯科医院での社長と言えば院長ですが、チーフ職はもちろん、後輩を持つ人も“人を導く立場”という意味では同じです。
上司や先輩であるあなたに部下や後輩が“夢”を語った時、その夢を「そんなの無理」と潰してしまう存在でいますか?それとも「叶えるための行動を共にする」存在でいますか?
私自身もいつの間にか後者とならないよう、夢を追いかけていきたいと思っています。