斎藤 一人(さいとう ひとり)さん、「銀座まるかん」の創業者で1993年から12年連続、長者番付10位以内になった方です(1997年と2003年は納税日本1位)。商品としては「スリムドカン」が有名で、「ついてる、ついてる」の名言も有名ですね。
営業マン当時は、よく、ひとりさん関係の本を読んだり、講演会のCDを聞いていましたが、今でもよく覚えているお話が、
"商売のコツ”
のお話です。
日本で一番税金を納めている人が語るコツ。
興味が湧かないはずはありません。
ひとりさんはこう言われます。
「商売のコツ? そんなの簡単だよ。お金を払ってくれる人を喜ばせたらいいんだよ」
THEシンプル。
シンプルでありながら、まさにその通りなのですが、奥も深い。
ここからはあくまでも私の解釈です。
まず、
お金を払ってくれる人=自分ではない
これが学生と社会人との大きな違い。
学生の頃は、テストでいい点を取れば評価が得られましたが、社会ではそうはいきません。
例えば、私は日々、色々な医院でお仕事をさせて頂いておりますが、そこでの評価者は自分ではなく院長です。
月曜日に訪問した医院で「今日はとってもいい仕事ができたー!」と私の自己評価は高くても、院長が「もう最悪だわ」と思えば、私は仕事が出来ない人になります。
火曜日に訪問した医院では逆に、「今日はイマイチな仕事だった、反省だ・・・」と私は思っていたとしても、院長が「もう最高!グレイト!」と評価してくだされば、私は仕事が出来る人になります。
月曜日と火曜日で私自身のスキルや知識は基本変わりませんが、評価は真逆になる。
それは評価者が両日で違い、自分でもないからです。
私のように、お金を払ってくれる人=クライアント院長の場合は、ダイレクトに院長に喜んでいただく働きが出来れば仕事は上手くいきますが、サービスを提供する相手とお金を払ってくれる人が違う場合は注意が必要です。
例えば、患者さんからの評判はとてもいいけれど、院長とは上手くいっていない人がいたとします。
この人は残念ながら実力があったとしても中々評価されません。
ひとりさん理論で言えば、
お金を払ってくれている人は誰?と考えると、患者さんが給料日に口座に振り込んでくれている訳ではなく、支払ってくれているのは院長です。
院長と上手くいっていない事情や背景はそれぞれあるでしょうが(今回の軸はそこではないので置いておきますが)お金を払ってくれる人を喜ばせていないので、評価されないんです。
じゃあ、ゴマをすって(死語?)院長に気に入られれば良いのか?というと、事はそう簡単ではありません。
その院長にお金を払ってくれている人は誰?というと、それは患者さんです。
つまり、院長を喜ばせるためには、患者さんを喜ばせないといけない、ということになります。
そのためには、知識や技術はもちろん、コミュニケーション能力や、チーフ職ともなると指導力なども必要になってきます。
こう見ると、理屈は本当にシンプルなのですが、ごくたまに、
「私は院長の考えについていけないんです。実際に患者さんは私のやり方で喜んでくれています!」と自信満々に言われる人もいますが、それは危ない考え方です。
例えば、あなたがディズニーランドに就職したとします。
ディズニーキャラクターの着ぐるみでゲストを喜ばせる仕事に任命されたあなたでしたが、どうも納得がいきません。
「私は、ドラえもんの着ぐるみが着たいんじゃ!」
「ドラえもんの方がゲストに喜んでもらえるはず!」
と、ディズニーランドでドラえもんの着ぐるみで登場したらどうでしょうか?
それでも子どもたちの中には喜んでくれる人もいるかもしれませんが、コンセプトが違います。
医院にもその医院のコンセプトがあります。
そこに自分独自の違ったコンセプトを持ち込むと、ディズニーランドでドラえもんのようなことが起きてしまいます。ドラえもんに罪はないように、そのコンセプトそのものがダメという訳ではなく、その医院においては相応しくないということです。
そうなると方法は2つ。
1.自分の考えと合う医院に変わる。
2.自分の考えを採用してもらえるよう、コンセプトを変えることや融合する提案を院長に行う。
です。
1は意外にハードルが高いです。自分に合った医院を見つけるのって簡単ではありませんので、どこかに雇用されるのではなく起業したほうが早いです。
となると、勤めるという考えであれば、2の方が仕事力を鍛えてくれますし、何よりも面白い。仕事の醍醐味です。
こう書いていると、久しぶりにひとりさんの本を読んでみたくなりました。
やばい・・・またKindleに溜まっていく・・・。