ざっくり適当で良いので、まずは書いてみる。
いかがでしたでしょうか?
ここで重要なことは、頭で描いただけでは効果半減であるということです。
普段、スタッフさんに対して
「メモを取りなさい!」
「セミナーを受けたらレポートを書いて提出しなさい」
「口で言っただけではダメ。ちゃんと記録にしておくことが大事なんだよ」
と、何かにつけて“書く”ことを指示、指導されていませんか?
余談ですが、朝礼やミーティングなどで決まったルールや取り組みを一番最初に守らなかったり、
変更するのは、結構な割合で院長であることが多いです。
「いや、急患が入ったので仕方なく・・・」
「歯科医師会の用事で・・・」
「それよりも優先順位が高いことがあってね・・・」
といったように理由を聞けば、理解できないことはありませんが、決まり事が守られない医院はスタッフさんも
「どうせ途中で頓挫する」
と意識的、無意識的に感じてしまい、以前は率先して動いてくれていたスタッフさんですら動かなくなるという悪循環に陥っていきます。
逆に
「一度決めたことは実行する」
というリーダーの下で働くスタッフは、
「やるしかない」と感じ、動き出すのも早いという好循環が起きます。
話を戻します。
書かれた10ヶ条(パソコンで作成されてもOKです。
ただし、その場合はプリントアウトして紙面として見れるようにしてください)を一つずつ言葉に出して読んでみてください。
どうです?
トキメキました?(コンマリ風)
ときめいたのであれば、そこに書かれている10ヶ条はあなたの正直な思いであり、
あなたが通いたいと思える歯科医院の10個の条件です。
ときめかなかった場合は、きっと本音は別のところにあります。
100%主観ではなく、どこか今現在来院されている患者さんが求めているであろう歯科医院像であったり、
歯科医院たるものこうでなければならないという既成概念が本音を隠してしまっているのかもしれません。
この10箇条は“トキメケるかどうか?”がとっても大事な要素です。
私の大好きな本である「チームの力」(著:西條剛央)の中に
「人間は生きたいように生きたいし、したいことをしたいのだ。」
とあります。
本当は生きたいように生きたいし、したいことをしたいにも関わらず、
私たちの日常はいつの間にか「〜したい」よりも「〜しなければならない」に占められていることが多いように思います。
また、結果的に残念な人は、特に関心がない「〜しなければならない」
ことでもそれなりのレベルで出来てしまう器用さを持ってしまっていることです。
出来てしまうが故にそっちに流されてしまうのです。
「〜しなければならない症候群」から抜け出しましょう。
その第一歩が「トキメケるいい歯医者さん10ヶ条」を書けるようになることです。
どうしても書けない人用に、逆説の方法を提案します。
「悪い歯医者さん10ヶ条」を書いてみてください。
「こんな歯医者さんはイヤだ!」という内容です。これならば浮かんでくる人も多いと思います。
ここに描かれていることが無い歯科医院がいい歯医者さんということになります。
●10ヶ条の活用法
(1)目標設定に使う
トキメケる10ヶ条の中には既に達成できていることもあれば、
もう一踏ん張りなことや今はまだまだ達成にはほど遠いこともあるかもしれません。
少しでもそこに近づくために、10ヶ条を基にした目標、計画を立ててみましょう。
先述しましたように「1年以内をリアルに描いてみる」ことがポイントです。
(2)スタッフに聞かせてみる
スタッフミーティングなどの時間を使い、できあがった10ヶ条を熱くスタッフに語ってみましょう。
普段、そんな事を言葉にしたことがない院長であればあるほど、その効果は大きいです。
「え?院長って普段は治療ばかりだけど、ほんとはメインテナンスを中心とした医院を作りたかったんですね」
「スタッフとの連係など興味がないかと感じていましたが、チーム医療を目指したいんですね」
といったように、これまであなたなの頭の奥深くに埋まっていたことが目に見えるようになると、
周りはあなたを理解し、協力してくれる可能性が高まります。
また、チーム医療を目指されている場合は、スタッフにも10ヶ条を書いてもらう、そ
れぞれが考えるいい歯医者さんの条件をすり合わせてみると、医院全体で共有できる「いい歯医者さん10ヶ条」が出来るかもしれません。
(3)患者さんに宣言する
ホームページや院内掲示、医院案内パンフレットなどで「うちはこんな歯科医院を目指してます」
というスタンスを伝えることで、結果としてそれに共感していただける患者さんが集まってきます。
共感者が増えれば、「〜したい」と「〜しなければならない」が一体となってきます。
大切だけれど、中々考える機会がない、この「いい歯医者さん10ヶ条」
ぜひ、今のこの機会を使って描いてみてください。
きっとそれがアフターコロナ後の道標になると思います。