“相手の予想を上回ることが感動を呼ぶ”
よく聞く言葉ですが、これが出来る人と出会うと実に気持ちの良いものです。
今回はそんなサービスマインドが高い人と出会ったエピソードを2つほどご紹介します。
1つ目は、打ち合わせのために、とあるカフェに二人で行ったときのことです。
ふとしたはずみで出されたお手ふきを落としてしまいました。
近くにいた店員さんに「すいません、お手ふきを1枚いただけますか?」とお願いをし、待つこと少々、すぐに新しいものを持ってきてくれました。
「どうぞ」と出されたお手ふきは1枚ではなく2枚。連れの分まで新しいものを持ってきてくれたのです。
2つ目は、結婚式に出席させていただいた時のことです。
当日、私は車で会場に出向きましたが、駐車スペースを探していたところ、駆け寄ってきてくれたスタッフの方が満面の笑顔で「河辺様、あちらのスペースにお停めください」と、名前付きで案内をしてくれたのです。
まさか駐車場で名前で呼ばれるとは予想していませんでした。きっと事前に誰が車で来場するかを把握しているのでしょう。
この2つのエピソードは、いずれも “ほんのちょっとだけのプラスアルファ” なサービスです。
別に連れの分までお手ふきを持ってこなくても、名前付きで案内しなくても、相手が不満を抱くことはありません。ただし同時に喜びや感動も生まれません。誰もが普段触れている予想範囲内のサービスだからです。
サービスマインドが高い人というのは、行動のすべてに “相手の予想を上回るほんのちょっとのプラスアルファ” を加えることができないか?を考えています。
一事が万事の言葉通り、お手ふきを2枚出すことを思いつく人や、名前付きで案内をしようと思っている人は、その他の仕事においてもレベルが高いことがほとんどです。
たかがお手ふき、たかが名前付きと思われる人もいるかもしれませんが、そのたかがの差は相当大きく、それが出来る人は多くはいません。
また、予想を上回る種類には上記のような “人によるサービス” だけではなく、新しい医療機器の導入であったり、レベルの高い医療技術を提供することを想像する人もいるかもしれません。
もちろんそれも該当しますが、日進月歩な医療の世界です。
今は珍しくても、あっという間に当たり前となり予想範囲内のことになってしまいます。
「うちは最新の設備と高い医療技術が売りである」と謳っている医院ほど、人によるサービスレベルが低い医院も珍しくありません。
さらに言えば、人によるサービスも常に進化させていく必要があります。
お手ふきを2枚出せば、2枚だしてくれることが当たり前となり、次からは予想範囲内のサービスとなるからです。
“相手の予想を上回る”に終わりはありません。
「うちはできている」と思った途端にサービスレベルは下がっていくのです。