日本初の “かたづけ士” として全国で活躍されておられる、小松易さん。(https://sukkirilab.com)
いつもお世話になっている方のお一人です。
テレビや雑誌に登場されることも多く、最近は益々売れっこになられています。
そんな小松さん曰く、かたづけに失敗しない最大のコツとは “いっぺんにやらない” とのこと。
いっぺんにやると、その瞬間はキレイになるが、高い確率ですぐに元通りにリバウンド(散らかる)してしまうそうです。
なぜならばそのかたづけは “その時だけのイベント” であり “習慣化されている行動ではない” からです。
そう言われてみると、かたづいている医院はいつお伺いしてもかたづいています。
これは、かたづけることが特別なことではなく当たり前のことになっている、つまり、習慣になっているということです。
どうかたづけたらよいか?という知識や技術も大切ですが、もっと大切なことは、かたづけるということが “習慣” となっていること。
その習慣が身についていれば、一過性の “イベント” で終わることなく、リバウンドしないかたづけを自分のものにすることができます。
そのために小松さんは「一日15分のかたづけを3週間続けること」を推奨されています(人は3週間同じことを継続すると習慣となるそうです)。
この “習慣” ですが、かたづけ以外のことにも当てはまりそうです。
例えば、患者さんへのブラッシング指導。
患者さんに対して「ここが磨けていないので、こうブラシを当てて下さい。ここは歯ブラシが届かない所なので歯間ブラシを使いましょう。できればフロスも使ったほうがいいですし、夜はフッ素ジェルを使って下さいね」といったように、必要な知識や技術を一生懸命伝えます。しかし、何度指導を行っても、なかなかプラークコントロールは改善しません・・・。
そんな患者さんに対して適切なアプローチを “習慣” という観点で考えてみます。
歯のプロである皆さんにとっては、キレイに歯を磨くというのは、当たり前のことであり、「よし!今日も歯をキレイに磨くぞ!」と気合を入れて臨むことではないと思います。
一方、それが習慣となっていない患者さんにとっては、もしかすると “歯を磨く”という行為自体が特別なことであり、とってもハードルの高いことなのかもしれません。
そんな患者さんには、どう磨くか、何を使うか、という知識や技術の前に、まずは歯磨きという行為を “習慣” にしていただくことを最初の目標としてみます。
すると「寝る前に1分でも歯みがきをすることを次回の来院まで続けてみて下さい。キレイに磨くことは考えて頂かなくても結構ですよ。」といったように、投げかける言葉も変わってくるのではないでしょうか。
“習慣”をキーワードにすると、リバウンドしないブラッシングを患者さんに身につけて頂くことができるかもしれませんね。