仕事柄、各医院への訪問日には「良いこと」よりも「問題」に向き合うことの方が多いです。
患者さんに関係することはもちろんですが、院内での人間関係、
スタッフ育成からキャッシュフロー(お金)に至るまで、その内容は多岐にわたります。
そして、この「問題」の量は各医院によって差があり、
多い医院というのは大体決まっています。
わずか1ヶ月の間で早くもこんなにも問題が・・・と感じることも珍しくなく、
問題が行列となって待ち構えているのです。
さて、「問題」と聞くとどのようなイメージを持たれますか?
「問題が多い医院って人間関係が悪そう」
「日々何事もなく平和に過ごせることが一番」
「そんな医院には絶対に勤めたくない」
といったように、多くの方は“問題=悪いこと”と感じてしまうのではないでしょうか。
私自身も以前は絶え間なく問題ばかり起こる医院に対して良いイメージが持てず、
常に悩んでいる院長やスタッフの方々を見ながら、
いつになったらこの問題の連鎖が収まるのだろう・・・と思っていたものです。
しかし、その問題に向き合っている内に、ある傾向が見えてきました。
「問題の量と医院の成長度は比例している」ということです。
ここで“問題とはそもそも何か?”を考えてみます。
「問題」とは「課題」です。
つまり、「それを解決すれば今よりも良くなること」であるとも言えます。
問題に向き合うことは時にツライ感情を伴いますが、一時のツラさから目をそらさず、
一つまた一つと向き合い、解決していくことで、今よりも良くなっていくものです。
日々、様々な希望や心配事をもった患者さんが訪れる歯科医院において、
問題(課題)が起きないことはありえません。
違う価値観をもった他人同士の集合体である職場において、
問題が起きないこともありえまえません。
たまに、「うちの医院は今は問題はありません」という言葉を聞くことがありますが、
その “問題を発見できていないことが問題” なんです。
問題を発見する感度は油断をすると、すぐに衰えてしまいます。
衰えてしまう最大の原因は「慣れ」です。
常にその問題と同居していることで、その状態に慣れてしまい、いずれ何も感じなくなってしまうのです。
(部屋が少しずつ散らかっていく感じですね)
日々、同じ場所、同じ人、同じ仕事内容に浸かっていることが多い場合は、
この “感度” が衰えやすい環境にいるんだと自覚していることが大切ですね。
そしてこれからも沢山の問題を見つけていきましょう。医院はどんどん良くなっていくはずです。