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      先日、ネットで調べものをしている際、

      「病院における治療の結果、健康状態が改善しない、悪化する原因の7割は、コミュニケーションにある」

      という記事を目にすることがありました。(Joint Commission調べ)


      コミュニケーションと言うと、表現がざっくりし過ぎていて分かりづらいですが、言葉はもちろん、表情や態度、服装や髪型、診療室の清潔状態など、患者さんの五感を通して伝わっていく“診療技術以外の情報”だと解釈していただくと良いと思います。

      この記事には“患者から見た「信頼できる医師」とは?”というアンケート結果が掲載されています。

      【信頼できる医師とは?】
      1位:説明(31%)
      2位:対応、姿勢、人柄(25%)
      3位:患者の話を聞く(24%)
      4位:知識、技術(14%)


      となっており、上位3位まで、全体の8割が全てコミュニケーションに関係するものとなっています。

      医療者からすれば「知識、技術が一番」とお考えの方も多いかもしれませんが、その知識と技術の評価は、コミュニケーションを持って判断されてしまう事を認めなければなりません。

      例えば、白衣が汚れており、髪はボサボサ、患者の話に興味はなく、自分が言いたいことだけを淡々と話し目線も合わせない。はっきり言って感じ悪いですが、この医師、知識と技術レベルは相当高いのです。
      適切な治療を提供できる腕は持っていますが、患者さんは「この人、大丈夫?」と不安を抱きます。不思議なもので一度不安に思うと、医師の行動や言動の一つ一つを全て不安材料として捉えていきます。

       器具の扱い方が乱暴だな。
       私の目を一度も見ないな。
       口の中の触り方が雑で痛いな。
       うがいを全然させてくれないな。


      と普段と変わらない事をしていても、マイナスの解釈として伝わってしまうのです。
      皆さんもこれまでの人間関係の中で、一度嫌いになると、これまで気にならなかった事も急に目につき更に嫌いになる、という経験がありませんか?それと同じです。

      同じ治療をしても、「この先生は痛かった」と捉えられるか「この先生だから、このくらいの痛みで済んだ」と捉えられるかの判断基準は治療技術ではないところの要素が大きいのは、そんな人間心理の構造があるからです。

      念のために補足しておきますと、コミュニケーションさえしていればOK!と言っているのではありません。医療分野においては知識と技術が土台であるのは間違いありません。

      長年かけて培ってきた知識や技術。それが誤解されることなく正しく評価されるためにも、診療技術以外の様々な要素にも意識を向けていくことも欠かせませんね。


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