ふと気づけば、私がこの仕事を始めて14年の歳月が経とうとしています。
女性主体の歯科医院の世界では、どうしても人の入れ替わりが付きものですが、そんな中でも長年、勤めてくれている方も多くいます。
当時は新人だった人も今では中堅~ベテランと言われる存在です。
キャリアを重ねていけばいくほど、必然的に医院から求められる役割も変わってきますが、その中でも“人を育てる”という役割について、悩みや課題を抱えている人が多いと感じています。
当然、人が変われば育て方も違いますので、こうすれば上手くいく!というウルトラCのようなものは残念ながらありませんが、“育て上手だなぁ”と感じる人には、その“育て方”にいくつかの共通点があるように見えます。
その① ~解ける答えを残しておく~
既に絵が完成されているキャンバスには何も書き足せませんが、余白があればあるほど、そこに絵を書き足すことができます。例えば、何かのアイデアを募る場面があったとします。育て上手な人は、仮に自分がアイデアを思いついていたとしても、それを敢えて口にせず、相手がそのアイデアを思いつくヒントをだし、発言できる場(チャンス)を作っています。
その② ~手柄をゆずる~
人は結果を出し、褒められると嬉しいものです。育て上手な人は、自分自身が褒められることよりも、育てている人が結果をだし、仕事にやりがいを感じていたり、院長や患者さんに褒められることに喜びを感じているように見えます。“手柄をゆずる”この黒子のような行動基準が2つ目の共通点です。
その③ ~言いにくいことほど直接~
芸人の“有吉弘行さん”。
テレビの中では、誰に対しても基本的に毒舌で、たまに見ているこちらがヒヤっとする場面もありますが、周知の通り芸能界でもトップクラスの売れっ子ぶりです。
そんな彼が著書の中で “悪口は直接、褒める時は間接的に” と言っています。
これがどれだけ毒を吐いても“嫌われず”、逆に人を惹きつけている理由なのだと思うのです。
育て上手な人は、基本的に言うべきことを直接本人に伝えています。人は誰かに指摘や意見をするとき“嫌われたくない”という恐れがそれを伝えることにブレーキをかけるものです。
それでも伝えるというのは「きっと受け止めてくれる」と相手の可能性を信じているからなのでしょう。
私自身も“育成”は日頃の業務の中で大きな割合を占めている分野です。
“育て上手”となれるよう、今後も学び続けていきたいと思います。