アクションプランの立案 ①

2020.04.23

★その通りにいかない計画を立てる

【目的・ゴール】

・年間アクションプランで1年(4ヶ月)の計画を立てる。

・深掘シートで「どうなったらいい?」「どうすればいい?」を明確にする。

・上手く進まないことを前提で考える。

 

皆さんの医院では「年間計画」や「年間目標」を立てているでしょうか?

そして、立てている場合はその期間中にどれだけその計画や目標の進捗を見直しているでしょうか?

 

私どもが新規のご依頼でサポートに入らせていただく際は、まず「計画」を立てることから始めます。

 

この計画の内容は当然のことながら医院によって様々で、取り組みたい事項が明確になっている場合は、その取り組みを順序立てて時系列に記していきます。取り組むべき事項が見えていなかったり、何から手をつけていけばいいのかすら分からないという場合は「計画のための計画」を立てることになります(新規の場合、後者のパターンが多い)。

 

その① 計画通り進まない計画を立てる意義

それぞれの医院の状況によって、出来上がってくる計画表の中身の濃さは違ってきますが、例外なく言えることは、どの医院も最初は「計画通りに進まない」ことです。

「計画通りに進まない計画を立てる必要があるか?」とお感じかもしれませんが、むしろ「その通りに進まない」からこそ、立てる必要、意義が大いにあります。

 

そもそも、「計画通り進んでいない」ことを認識することができたのは「計画を立てたから」です

 

ここで言う「計画通り進んでいない」は予想よりも滞っているだけではなく、予想よりも早く進んでいることも「計画通りに進んでいない」を意味します。

人はつい、当初の計画よりも早く進んだ場合は、それを良しとしますが、もしかすると、本来の医院や人が持っているポテンシャルを低く見積もっていたかもしれません。たまたま結果オーライであっただけで、計画通りではなかったことに違いありません。

 

医院のポテンシャルが分からない中で計画を立て始めた当初は、当然のことながら「計画と結果の差」が大きくあります。

計画の半分もできなかったということも珍しくありませんが、数年も継続していくと、医院のポテンシャルが分かり、この「差」が埋まってきます。

そこまでの域に到達すると、「こうなったらいいな」という計画書が、叶って当然の「予定表」に変わってきます。

 

 

その② 歯科業界における実務環境

歯科の実務環境は、一日に中で占める業務のほとんどが「診療」です。

説明ツールを作るにしても、技術の練習をするにしても、イベントの準備をするにしても、それらの多くは診療時間以外の時間を使って取り組まれている医院がほとんどだと思います。

 

では、診療時間以外の時間とはいつのことでしょうか。

 

大きく分けて、「残業」、「持ち帰り」、「診療予約のカット」の3つです。

 

まず残業ですが、女性主体の職場であるこの業界では、家庭を持っているスタッフも多く、頻繁に残業をさせることは現実的にできません。

残業が当たり前となっている医院もありますが、例外なくスタッフの出入りが多くなっています。医院もそこで勤める人も大好き。でも結婚をしたら、こんなに遅くなる職場では続けたくても続けられない。という声はよく聞く声です。

 

夜が遅いから・・・という理由で、常勤で働く気持ちはあっても、ご家族の理解が得られず非常勤となっていたり、勤務時間の短い医院に変わる、というケースも珍しくありません。

 

「持ち帰り」とは、言葉の通り、スタッフが自宅に持ち帰って取り組んでいる状態のことです。

持ち帰りですから労働時間としてカウントしている医院はほとんどなく、実質サービス残業といえます。

これも常態化してくると、本人のモチベーションダウンや退職、そもそも労働基準法の観点からも問題と言えます。

 

また、慢性的な歯科衛生士不足から、常勤が欲しくても非常勤スタッフしか見つからず、医院によっては非常勤スタッフが8割を占める医院も珍しくありません。

すると、各種取組みも非常勤スタッフが担うことになりますが、時給で働く非常勤スタッフが持ち帰り仕事をすると、ご家族から

「それって時給出ているの?」

「そもそもパートがそこまでやらんといかんの?」

という疑問の声が、本人よりも周りから噴出してきます。

 

「医院のためにがんばろう」と思うスタッフになればなるほど、持ち帰ってでも仕事を進めようと協力してくれますが、家庭と職場との板挟み状態となり、最終的には退職・・・という場面も何度も目にしてきました。

 

 

上記2点を踏まえると、各種取組みを進めるためには、自ずと「診療時間をカットして取り組み時間に充てる」ことに行き着きます。(スタッフを余分に雇用する方法もありますが、ここでは既存スタッフでいかに取り組むか?にフォーカスをあてています)

 

しかし、保険診療を中心とした医院の場合、どうしても数を診る診療スタイルとなっていることが多く、ただでも予約間隔が2週間〜1ヶ月と開いてしまうのに、更に診療時間をカットできる医院は、よほどの院長の覚悟と決心が必要となります。(患者数の少ない医院は、診療時間内に取り組む時間がありますので、ここでは対象と考えません)

 

そういった背景もあり、診療時間をカットするのは院内ミーティングの時間のみ、そのミーティングですら頻繁に行うことは難しく、予約をカットして月に1時間〜2時間のミーティング時間を取ることが精一杯という医院が多いと思います。

 

しかし、それでも診療時間をカットして取り組み時間を作ることをオススメします。

今の歯科医院の仕事は診療だけではありません。診療さえちゃんとやっておけば患者さんの満足を得られる、という時代はとっくに終わりました。

 

〜その②へ続く〜