聞き役はどちら?

2020.04.20

「コミュニケーションを大切に」

どの医院でもよく耳にする言葉です。

 

その言葉の通り、「こんにちは」「お大事に」という基本の声がけはもちろんのこと、チェアタイムでも積極的にコミュニケーションをとっている姿をよく目にします。

 

これは歯科業界に限った話ではなく、どの業界でも言えることで、私たちの日常生活の中でも

「あ、コミュニケーションを意識しているんだなぁ」

と感じることがありますよね。

 

しかし、せっかく意識して行っているにも関わらず、その観点を間違うと、かえって相手の心象を悪くすることがあります。

 

随分前の話になりますが、私が利用していた美容院での話です。

担当して下さっていたのは店長さんで、技術レベルは高く、私の髪質に合ったスタイルにいつも仕上げてくれていました。

私の満足度は非常に高く、いい美容師さんを見つけたなぁ・・・と感じていたのですが、回数を重ねるごとに少しずつその美容師さんとの時間が苦痛になってきたのです。

 

技術は満足。でも苦痛になる。

 

その理由は

 

「コミュニケーションの中身」

 

です。

 

その方は話題が豊富で次から次へと言葉が出てきます。

“話す”というレベルはとても高い。

しかし、話の中身が

 

“自分の話”

 

ばかりなのです。

 

「この間、〇〇へ旅行に行ったんですよ、なぜ、そこに行ったかというとですね・・」

「近々引っ越しをしようと考えているんです。実は今の家がですね・・・」

「私は家具に興味があるんです。どんな家具かといいますと・・・・」

 

といった感じで、話のほとんどは自分の近況か興味がある話です。

 

私自身が興味がある話であればいいのですが、そうでない話を1~2時間延々とされ続けてしまうと、段々それが苦痛になってくるのです。

 

興味がない話なら聞かなければいいのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、一応、コミュニケーションは結構長く学んできておりますので、無意識に相手が話しやすい聞き方をがんばってしてしまいます・・・。

 

話を戻します。

ここで大切なことは、皆さんが患者さんとのコミュニケーションを取る際、“聞き役はどちらになっているか?”を意識することです。

 

チェアでの待ち時間など、患者さんを退屈させないように、意識して声がけをしている人も多くいると思いますが、それが

“自分(歯科医院)の話”

なのか

“相手(患者さん)の話”

なのかに意識を向けてみましょう。

 

人は話す時に“快楽”を感じると言います。

ということは、逆に聞くことは、その内容によっては“苦痛”を感じてしまうのです。

誰かの相談に乗るとき、話を聞いただけなのに、どっぷり疲れた・・・という経験がある人も多いのではないでしょうか?

 

相手の話をするためには、相手を知らなければなりません。

口腔内の話はもちろん、相手を知るための質問をその一歩として会話に盛り込んでみてはいかがでしょうか?