記憶と強度

2020.04.13

年々、記憶力が下がってきてるなぁ・・・と感じているここ数年ですが、歳のせい!と言ってしまうのも何か負けたような気がする(誰に?)ので必死に抵抗しています。

 

この  “記憶”

 

昨日の出来事なのに忘れてしまうこともあれば、何年経っても鮮明に覚えていることもありますよね・・・。

 

この違いはどこから来るのでしょうか?

 

そこには “感情の強度” が大きく関わっているようです。

 

つまり、地味で感情の動きが弱い(伴わない)ことは記憶に定着しにくく、派手で感情の動きが強い(揺さぶられる)出来事は記憶として定着するということです。

 

例えば、小学校の頃に学んだ九九や元素記号を思い出してみてください。九九を言いながら

「むっちゃ感動!もう5の段なんてたまんねー!」

と、なる方はいないとはいいませんが、きっと少数だと思います。

 

一方、大好きなアーティストのコンサートに初めて行った時は、嬉しすぎて超興奮状態!

1曲目が何だったか?

ステージ衣装はどんなデザインだったか?

まで4K並みの高画質で記憶に刻まれ、それが例え数十年前の出来事だったとしても、昨日のことのように覚えている、ということもあります。

 

この例で言えば、九九は感情の強度が弱く、コンサートは感情の強度が強いという訳です。

 

強度の強い出来事は苦労せずとも記憶できますが、問題なのは弱い方です。

感情の強度が弱いことを記憶するために私たちが子どもの頃からやってきた方法、それが “反復” です。

 

九九であれば、単語帳を使ったり、壁に九九の一覧表を貼ったりして、何度も何度も目に触れ言葉にする機会を繰り返して覚えていった人も多いのではないでしょうか。強度の弱さを回数でカバーするということですね。

 

そんな記憶のメカニズムを考えたとき、皆さんが患者さんに日々伝えている、ブラッシングのコツやメインテナンスの重要性などは “感情の強度” という観点ではどうでしょうか?

 

残念ながら多くの患者さんにとっては“弱い”出来事になります。

 

対策としては上記のように“繰り返し言い続ける(反復)”か“強度を強くする”の2つです。

 

以前、何かのテレビ番組で、踊りながら歴史上の出来事を覚える、というのを見たことがあります。

これは歴史の暗記という弱さを体の動きを加えることで強くしていることになります。

ブラッシングの大切さを踊りながら伝えるのは難しいかもしれませんが、チェアサイドでもできることは色々ありそうですね。

 

スタッフ教育の面でも同じことが言えます。

よく「なんでこんな基本的なことを覚えられないの?」と困っている先輩の声を聞くことがありますが、それは基本的なこと(弱い)だからこそ覚えられないのかもしれません。

さて、あなたならどうやって強度を増しますか?